全国のリンゴ栽培と北海道

青森や長野県には届かないものの、北海道はかつて岩手県と並ぶくらいのリンゴ産地でした。
しかし、1970年代から、どんどん地位が低下し、今では国内で7位です。近いうちに群馬県に抜かれそうです。

リンゴの都道府県別栽培面積を、1956年から2009年までグラフ化してみました。
(農林水産省HPより元データを取得しました) リンゴの都道府県別栽培面積_1956年から2009年
まずは、全国合計と各都道府県のグラフ。 1964年頃をピークに、減少の一途をたどっています。1977年頃を底にして少し盛り返しますが、1987年頃から再び減少を続けています。
一体何が起こって、こんな事になっているのでしょう?
太平洋戦争の終戦は1945年、終戦後は食料不足でリンゴも生産量がどんどん増えます。皆さんの努力で相当な生産量まで増えた1964年頃、バナナの輸入自由化、みかんの大豊作、それに続いてリンゴ価格の大暴落。

1972年ころには黒星、斑点落葉病、腐乱病というリンゴにとって宿命的な病気が大発生し、リンゴの栽培面積は減少し続けます。
1980年頃、米の減反政策のため水田をリンゴ畑へ切り替える農家が出てきたことや、農薬散布技術の向上によって、リンゴ生産は持ち直します。
しかし、農家はどんどん高齢化しており後継者がいない所が多いので、栽培面積はゆっくりと減少し続けているのです。

次に、各都道府県の動きが分かりにくいので、全国のグラフを抜いてみました。
リンゴの都道府県別栽培面積_1956年から2009年
1976年頃、全国的に大きく落ち込んだ時に、青森県はそれ程落ちていません。落ち込みが目立つのは、長野県、岩手県、北海道。特に北海道はの落ち込みは大きい。1976年を過ぎても、そのまま減少し続けています。現在では、かつて岩手県と並ぶリンゴ産地だったとは、想像もつかないくらい大きく栽培面積が減りました。
北海道の落ち込みの背景を年配の方に伺うと、次のような経緯とのことです。
本州で主流品種だった国光や紅玉は、1960年代に人気が無くなり、デリシャスの人気が上がってきました。早くからデリシャスを増やしていた北海道は、その人気に乗って生産量を増やしました。しかし、本州で1970代から「ふじ」が普及し始め、またデリシャスにも力を入れるようになり、北海道は勝てなくなりました。
その後、「ふじ」が日本を代表する主力品種に成長していくと、北海道のリンゴ栽培は負け続けることになります。「ふじ」は、北海道よりも暖かい地域に向いた品種なので、 北海道産の「ふじ」は本州産には勝てません。しかも、北海道には「ふじ」に対抗できる品種が無いのです。産置間競争に負けてしまった、ということですね。
次は、主要各県の全国に対する割合を、1956年から2009年までグラフ化してみました。
リンゴの都道府県別栽培面積_1956年から2009年
1964年頃に一時落ち込みましたが、年々、青森の比率が高まっていることが分かります。全国の栽培面積の50%を超えて、まだ上がり続けています。 青森県の一人勝ちですね。
長野県は、1958年頃に24%くらいだったのが、最近は20%前後で安定しています。
落ちているのは、北海道、秋田、福島。 岩手と山形、群馬県は安定しています。
北海道でリンゴを栽培する一農家として、見てはいけないものを見てしまった気持ちです。 厳しい現実ですが、頑張るしかないですね。
参考サイト;
・農林水産省のサイト
リンゴ大学

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