リンゴの赤ちゃん
花が散って小さい実(リンゴの赤ちゃん)が出来てきました。
花びらの直ぐ後ろの部分が膨らんで大きく成長し、皆さんが良く見るリンゴの実になるんですよ。写真の赤丸の部分。
リンゴは一か所に3-6個が実が付きます。このまま放って置くと、養分が分散されて小さな果実が沢山出来てしまいます。(花が散った後の状態)
摘果作業
これでは売り物にならないので、大きくて形の良い実だけ残して切り落とします。これを摘果作業と言います。いわゆる間引きですね。
写真の赤丸の部分に注目してください。
手前の所は全部落としました。奥の所は一個残しました。このように、10-20個に一個くらいの割合で、大きくて形の良い実だけを残します。
摘果前の状態;
摘果後の状態;
この摘果作業、手作業で一個一個の実をハサミで切ります。大きくなった葉っぱの陰になって見づらい実もあるので、目が疲れます。篠根果樹園には700本近い本数のリンゴの木がありますから、気の遠くなるほど時間のかかる作業となります。今頃から初めて全部終わるのは、7月の末です。毎年この時期は憂鬱になります。
隔年結果性
しかし、もし摘果作業が遅れると…..果実の成長が悪くなるだけでなく、困った問題が起きます。リンゴには「隔年結果性」という、厄介な性質があるのです。
摘果せずに放って置いたり、摘果作業で多すぎる実を残してしまうと、来年の花芽が極端に少なくなり、収穫量が激減します。
リンゴは自然の状態で放置すると、花芽の多い年、少ない年を交互に繰り返してしまいます。これを隔年結果性と言います。花芽や果実の多い年は勢力を使いすぎて木が弱り、少ない年は殆ど収穫できません。実が付く量を適正に調整することによって、毎年安定した収穫量と木の成長を確保することが出来るのです。従って、摘果作業は非常に重要な作業です。